監督は五社英雄で、出演者はかたせ梨乃(浅田せん)、加納みゆき(菅マヤ)、山咲千里(安井花江)、仁支川峰子(菊間町子)、渡瀬恒彦(伊吹新太郎)などが出演しています。
肉体の門の予告編 動画
肉体の門のネタバレあらすじ:起
1947年(昭和22年)秋、太平洋戦争の終戦後、混乱期にあった東京はアメリカ軍に占領されていました。多くの女性たちは戦争で家を焼かれたり、家族を失ったりして身寄りがなく、有楽町の廃墟ビルを拠点に娼婦(通称“パンパン”)稼業を生業としていました。女性たちは自らを「関東一家」と名乗り、リーダーの浅田せん(かたせ梨乃)を筆頭に、ボルネオから来たマヤ(加納みゆき)、フーテンの花江(山咲千里)、ジープの美乃(長谷直美)、きすぐれの光代(芦川よしみ)、ベイビーの幸子(松岡知重)、そして新入りの菊間町子(仁支川峰子)たちが集まっていました。
彼女たちは、在日米軍軍人とは寝ないという厳しい掟を設け、稼ぎを平等に分けるなどのルールを守っていました。やがてダンスホールを開くことを夢見て、金を貯め始めるようになりました。
肉体の門のネタバレあらすじ:承
関東一家は、浅田せんの最大のライバルである“らくちょうのお澄”(名取裕子)をリーダーとするらくちょう一家や、焼けビルを拠点に闇市“袴田組マーケット”を取り仕切っている袴田親分(根津甚八)率いる袴田一家との確執が絶えませんでした。廃墟ビル一帯は一等地であるため、袴田は関東一家を傘下に収めたがっていましたが、関東一家は最後の砦として巨大な不発弾を持っており、ヤクザたちもうかつに手を出せなかったのです。
そんなある秋の深夜、伊吹新太郎(渡瀬恒彦)という男が深手を負って関東一家の元に倒れ込み、助けてもらいました。元ヤクザで軍人だった伊吹は強盗を働いて憲兵に撃たれたのです。伊吹は、かつて空襲で空腹にあえいでいたせんに食糧を分け与え、そのお返しにと処女を捧げた相手でした。
肉体の門のネタバレあらすじ:転
やがて傷の癒えた伊吹はせんに「一緒にここを出よう」と誘いましたが、せんはダンスホールを開く夢を優先して断りました。そんな時、町子は袴田に寝返り、一家の金を持ち逃げしたため、せんたちは町子を捕まえてリンチにかけました。一方、伊吹は戦前に兄弟分として暴れ回っていた袴田からさかんに一家へ誘われましたが、伊吹にはその気はなく、影ながらせんのことを見守っていました。
せんとお澄はかつてはタイマンを張った程の間柄でしたが、せんが米軍兵にレイプされそうになったところをお澄に助けられたことから打ち解け、和解していました。お澄は母と妹をレイプした後に殺害した米軍人ロバート(ディック・バトルウォーサー)への復讐を誓い、パンパンに身を落としていたのでした。
肉体の門の結末
関東一家と袴田一家の確執もエスカレートしていたある日、伊吹は牛を一頭連れてきて、それをステーキにして皆に振る舞い酒宴となりました。その夜、伊吹はマヤを抱き、そのまま二人はどこかへと姿を消していきました。この日を境に関東一家も分裂し、せんらはそれぞれの道を歩むことになりました。ある日、ロバートへの復讐に失敗したお澄がせんのところへ駆け込んできました。せんはお澄にドスを渡し、お澄はロバートを刺殺して恨みを晴らしましたが、その直後に自らも憲兵に撃たれて川に落ちて亡くなりました。
そして1948年(昭和23年)1月、ビルは袴田一家の手に落ち、せんは一人たたずんでいたところへ美乃とマヤが戻ってきました。やがて伊吹は袴田を殺し、自らも瀕死の重傷を負いながらも不発弾の信管を抜こうとしましたが果たせず、力尽きました。せんは純白のドレスに着替え、袴田一家の前で不発弾の信管を抜き、ビルごと壮絶な爆死を遂げました。
0 コメント